なす・豚肉・しめじ

材料… なす、豚肉、しめじ、ねぎ、煮干し、水(、酒、醤油)

  1. なす、豚肉、しめじは食べやすい大きさに切る。
  2. わたを取った煮干しを水に入れて沸かす。
  3. 沸いたお湯になす、しめじを入れゆでる。
  4. ある程度火が通ったら豚肉を入れる。
  5. (ここで、酒と醤油を隠し味程度に入れても良い。)
  6. 火が通ったら火を止めて、味噌を溶かす。
  7. ねぎを細かく切って載せる。

味噌汁の隠し味はいろいろあるが、酒と醤油は多くの具に合い、コクとうまみが増す。今日の味噌汁は具だくさんパワー系となった。納豆ご飯とこの味噌汁だけで、体の底におだやかに火がともる心地がした。

里芋・舞茸・ねぎ

材料… 里芋、舞茸、ねぎ、煮干し、水

  1. 里芋は皮を剥き、舞茸は適当な大きさに分ける。ねぎは斜め切りにする。
  2. わたを取った煮干しを水に入れ、里芋を茹でる。
  3. 里芋に火が通った頃合いに舞茸、ねぎを入れる。
  4. 火が通ったら火を止めて、味噌を溶かす。

2週間ほど旅に出ていた。旅に出ている間に、季節はすっかり秋へと変わってしまったようで、久しぶりの自宅はどこか寂しい涼しさをまとっている。

翌日は旅が終わった空虚感でぼんやりと過ごしていたが、夜は久しぶりに自分の手で料理を作り、自分の手で生きる感覚を少し取り戻した。

こうした日常への復帰の過程すべてを「帰宅」と呼んでもよいかもしれない。「帰宅」のやわらかいいとおしさが、私をまた次の旅へと向かわせる。

豆腐とわかめ

材料… 豆腐、わかめ、煮干し、水

  1. 豆腐は適当な大きさに切る。
  2. わたを取った煮干しを水に入れて沸かす。
  3. 沸いたお湯に豆腐を入れ温める。
  4. 頃合いを見て火を止めて、わかめを入れ、味噌を溶かす。

今日は冷蔵庫に豆腐くらいしか食べ物がなく、豆腐とわかめでシンプルな味噌汁である。

ありきたりすぎてあまり普段は作らないのだが、生活とはありきたりを続けることだ。味噌汁をつくることは一つの切り口に過ぎないけれど、ありきたりのものをつくったり、時に変化をつけて楽しみを見出したりと、生活の切り口として豊かな広がりがあって面白い。あの人はどんな味噌汁を作っているのだろう?

キャベツ・しめじ

材料… キャベツ、しめじ、白ねぎ、煮干し、水

  1. キャベツ、しめじは食べやすい大きさに切る。
  2. わたを取った煮干しを水に入れて沸かす。
  3. 沸いたお湯にキャベツ、しめじを入れゆでる。
  4. 火が通ったら火を止めて、味噌を溶かす。
  5. 白ねぎを細かく切って載せる。

5年使っていた片手鍋のテフロン加工が痛々しく剥がれてきたので、新しい鍋を買った。新しいアルマイトの行平は軽く、見た目にもとても輝かしい。

いつもより少し背筋を伸ばして、静かにだしを取る。

新しい道具をおろし、はじめて触れるときの緊張感を伴った手触りは、弛みっぱなしの生活に張り合いを与えてくれる瑞々しい感触である。

かぶ・油揚げ・椎茸

材料… かぶ、油揚げ、椎茸、味噌、煮干し、水

  1. かぶ、油揚げ、椎茸は食べやすい大きさに切る。
  2. かぶを水からゆでる。わたを取った煮干しも同時に入れる。
  3. 沸いたお湯に椎茸、油揚げ、かぶの葉を入れゆでる。
  4. 火が通ったら火を止めて、味噌を溶かす。

夕方、歩道橋を歩いていたら、70代くらいであろうか、ひとり老婦人が立ち止まっていた。 東の空を眺めて、あ、入道雲、と独り言を言ったのが聞こえた。

ここのところ冷たい雨続きで、夏はどこか影を潜めていたようだったけれど、ビルの隙間、遠くに見える入道雲を見て、まだ今は8月だったと思い出した。

煮えたかぶの温かさが恋しい季節はもう少し先である。

玉ねぎ・わかめ

材料… 玉ねぎ、わかめ、味噌、煮干し、水

  1. 玉ねぎは食べやすい大きさに切る。
  2. 煮干しはわたを取り、水に入れて沸かす。
  3. 沸いたお湯に玉ねぎを入れ、ゆでる。
  4. 火が通ったら火を止めて、わかめを入れ、味噌を溶かす。

実家で母が作ってくれた記憶の味であり、学生のころ一人でよく作った青春の味であり(材料は全て保存がきき、作るのも簡単!)、今も思い立っては作り続ける、暮らしに常に寄り添ってきた味だ。

大学生の頃、私の家によく遊びにきていた友人たちがいた。我が家に泊まっていった翌朝、先に起きた私が台所に立ち、この味噌汁を作ったことがある。その前後は何も覚えていないけれど、友人の一人が玉ねぎをよけて自分の分を盛っていた姿だけが、妙に印象に残っている。

玉ねぎが嫌いだったであろう友人は、長らく連絡をしていないけれど、元気にしているだろうか。

鮭缶、大根、ねぎ

材料… 鮭缶、大根、長ねぎ、味噌、水

  1. 大根はいちょう切りにし、長ねぎは白い部分を斜め切りにする。
  2. 大根を水から茹で、おおむね火が通ったところで汁気を切った鮭缶を入れ、温める。
  3. 最後にネギを入れ、好みの硬さになるまで火を通す。
  4. 味噌を溶く。味噌は甘口・淡色系が合う。
  5. 七味を振っても美味しい。

途中で気づいたけれど、これは冬の方が美味しい。夏大根の辛味は相性が良くなかった。

今日はとにかく暑かった。真昼の日差しは本当に厳しいけれど、夕暮れどきの西日がエアコンで冷えた皮膚を穏やかに暖めていくときの感覚は、夏の陽の数少ない好きなところである。