里芋・舞茸・ねぎ
材料… 里芋、舞茸、ねぎ、煮干し、水
- 里芋は皮を剥き、舞茸は適当な大きさに分ける。ねぎは斜め切りにする。
- わたを取った煮干しを水に入れ、里芋を茹でる。
- 里芋に火が通った頃合いに舞茸、ねぎを入れる。
- 火が通ったら火を止めて、味噌を溶かす。
2週間ほど旅に出ていた。旅に出ている間に、季節はすっかり秋へと変わってしまったようで、久しぶりの自宅はどこか寂しい涼しさをまとっている。
翌日は旅が終わった空虚感でぼんやりと過ごしていたが、夜は久しぶりに自分の手で料理を作り、自分の手で生きる感覚を少し取り戻した。
こうした日常への復帰の過程すべてを「帰宅」と呼んでもよいかもしれない。「帰宅」のやわらかいいとおしさが、私をまた次の旅へと向かわせる。
玉ねぎ・わかめ
材料… 玉ねぎ、わかめ、味噌、煮干し、水
- 玉ねぎは食べやすい大きさに切る。
- 煮干しはわたを取り、水に入れて沸かす。
- 沸いたお湯に玉ねぎを入れ、ゆでる。
- 火が通ったら火を止めて、わかめを入れ、味噌を溶かす。
実家で母が作ってくれた記憶の味であり、学生のころ一人でよく作った青春の味であり(材料は全て保存がきき、作るのも簡単!)、今も思い立っては作り続ける、暮らしに常に寄り添ってきた味だ。
大学生の頃、私の家によく遊びにきていた友人たちがいた。我が家に泊まっていった翌朝、先に起きた私が台所に立ち、この味噌汁を作ったことがある。その前後は何も覚えていないけれど、友人の一人が玉ねぎをよけて自分の分を盛っていた姿だけが、妙に印象に残っている。
玉ねぎが嫌いだったであろう友人は、長らく連絡をしていないけれど、元気にしているだろうか。